ISO9001次期改訂の状況 ~始まった改訂活動~

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ISO9001次期改訂の状況 ~始まった改訂活動~

★次期ISO9001のための改訂活動が始まったと聞きましたが、いつ始まったのですか?

-ISO(国際標準化機構)でISO 9000シリーズを担当する専門委員会TC176(品質マネジメント及び品質保証)が、ISO9001:2008の改訂をするための新規作業を始める提案(新規作業項目提案-NWIP-)を加盟国の投票にかけた結果、賛成多数で承認されたのは2012年の10月1日でした。この結果を受けて、2012年11月にロシアのサンクトペテルブルグで開催されたTC176総会にて、SC2(第二分科委員会)がISO9001の改訂作業を担当することを決定して、ISO9001の改訂作業が始まりました。

★なぜISO9001:2008を改訂する必要があったのですか?

-ISO規格は発行後5年を経過する前に、規格の必要性が継続しているか、必要性が継続しているならば規格は改訂せずに維持することを確認することで良いか、それとも改訂する必要があるかを検討する決まりになっていて、ISO9001:2008の場合は改訂が必要と決定されたのです。

★ISO9001:2008はどこに改訂の必要性があったのですか?

-関係者の意見を聞いてみると、ISO9001の内容に大きな問題はないように考えられました。しかし、製造業以外のサービス組織の取り組みが少ない状況があります。これはISO9001の規格要求事項が製造業に理解しやすい表現となっていることが原因と考えられ、様々な産業分野(セクター)に使いやすい規格にすることが必要だと考えられたということです。

-また、ISOで様々なマネジメントシステム規格が発行されるようになってきていますが、それらの間に整合性が欠けていたため、規格ユーザーに不便を強いているという反省がありました。このためにAnnex SLという指針が開発されたことは『「Annex SL(附属書SL)」って何?』で述べましたが、ISO9001をこのAnnex SLの指針に沿うように改訂する必要もありました。

★改訂はどんなステップで進むのですか?

-ISOの規定によって、改訂が決まった規格は担当の専門委員会(TC又はPC)、ISO 9001の場合はTC176の中に第二分科委員会(SC2)を設置して改訂案を作りますが、通常は更にSC2の中に起案する作業グループ(WG)を設置して「作業原案(WD)」を作成し、SC2で検討します。

-SC2でWDが承認されると、SC2の「委員会原案(CD)」としてTC176登録国の意見を照会します。CDが承認されなかった場合には、もう一度検討して第2回分科会原案(CD2)を作成しますが、CDが承認された後寄せられた意見を検討して国際規格原案(DIS)を作成し、全ISO加盟国に意見照会を行います。DISが承認された後、寄せられた意見を織り込んで最終国際規格案(FDIS)を発行し、全加盟国の最終賛否投票にかけて、承認されれば国際規格(IS)が発行されます。

★今はどこまで進行しているのですか?

-作業グループによる作業原案(WD)を経て、2013年6月に委員会原案(CD)が作成されて、TC176加盟国の意見の照会とCDに対する投票を行いました。意見照会と投票は2013年9月に締め切られました。投票結果は賛成多数でしたが、意見は3,000件以上が提出されていて、2013年11月に開催されたTC176のSC2ポルト会議(ポルトガル)でこれらのコメントを検討されました。

★CDはどこかで見ることはできますか?

-英文のみですが日本規格協会のJSA Web Storeで有料で頒布しています。ただし、まだ委員会原案(CD)の段階ですので、規格発行になるまではいろいろな変化が予想されます。従って、研究用に入手することは良いことですが、CDを参考にして組織の品質マネジメントシステムを手直しすることは時期尚早ですので、ご注意下さい。システムの手直しを考える場合には、DIS段階まで待つことをお奨めします。

―なお、ANSI(米国規格協会は)は、ISO9001の改訂に当たり、Annex SLに完全に従った改訂に対して懸念を表明しています。これについては、ISOのTMB(技術管理評議会)は、「マネジメントシステム規格は基本的にはAnnex SLを適用するが、委員会のコンセンサスがありTMBの確認が得られれば、逸脱を認める」ことを確認しています。

★ということは慌てる必要はないのですね。でも、改訂によって規格が変わると自分たちのQMS文書も書き直すことが必要になるのですか?

-規格の文書構造は、規格自体のために決められているだけで、組織のQMS文書の構造を規格に合わせることは要求されていません。ただ、規格で要求している内容と自分たちのQMSの仕組みとのギャップ分析を行って改訂規格との適合性を確認することは必要です。

★現在認証されている組織は改訂された規格への移行を審査されることになるのですか?

-IAF(国際認定フォーラム-認定機関の国際組織)は移行審査が必要と考えており、改訂版への適合を発行後3年間以内に確認するように認証機関に求める方向で、指針文書の作成のための検討を開始しており、2014年中には明確になると思います。

-なお、IAFは、規格の記述に変化があるということで移行期限を発行後3年とする方向で考えていますが、組織は移行に3年間をかけるのではなく、規格発行後、積極的に移行に取り組んで欲しいとしています。

★今後、改訂はどのようなスケジュールで行われるのですか?

-TC176の審議状況や利害関係者の意見の出方に依存するので明確なことは言えませんが、TC176では、今のところ次のように予定しています。
  2014年4月~8月頃 国際規格原案(DIS)発行
  2015年7月~8月頃 最終国際規格案(FDIS)発行
  2015年10月頃 国際規格(IS)発行

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